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2015年11月24日火曜日

公開質問状に対する長谷部区長の回答と私たちの見解

8月24日長谷部区長への公開質問状及び10月5日当会申し入れについての回答が長谷部区長から10月26日付で届きました。

以下、10月26日付回答及び9月7日付回答についての当会見解です(「」内は公開質問状や回答からの引用です)。

【10月26日回答について】
10月26日付回答は10月5日申し入れに書いてある「当会について正しく認識してください」という指摘に対しての回答が何もありません。
また、9月7日付回答が「質問4 新宮下公園等整備計画」について曲がりなりにも1項目ずつ回答しているのに対して、10月26日付回答は質問1~3について項目ずつ回答しておらず、いくつもの重要な質問について無回答のままです。
これらのことは、当会質問状に対して不誠実です。

●ナイキジャパン社との関係を誤魔化しています
長谷部区長は「株式会社ナイキジャパン社から宮下公園の整備について具体的な提案を受けた平成20年」と記していますが、それより以前に、ナイキジャパン社に対して提案するように働きかけたと言明(質問1b)しています。そのことに関連する質問(質問1a1b1c)について回答せず誤魔化しています。
また、都市環境委員会すら2009年(平成21年)6月まで報告されず、利用者や議会の水面下で行われた2008年2月3月の選定委員会委員ではなかった長谷部区長(当時区議)が「具体的な提案」を受けられたのは、ナイキジャパン社との密接な関係なしにはあり得ません。「渋谷区とナイキジャパン社とのやりとり」について把握していなかったとありますが、提案を受けたこと自体が渋谷区とナイキジャパン社のやりとりの一部であったと言えます。具体的な提案を受けたのであれば、質問1d(ナイキジャパン社提案書についての当時の見解)について故意に回答を避けています。

●野宿生活者の状況は把握していたはずです
また、当時の「宮下公園内の野宿生活者の状況等については把握しておりませんでした」と記しています。しかし、2006年6月13日に長谷部区長(当時区議)は文教委員として4日後にオープンするフットサルコートの現地視察を宮下公園で行っています。その当時50名以上の野宿者が公園内に生活し、このフットサルコート設置自体、当時同会派だった伊藤毅区議がホームレス対策として強力に推し進めたものです。長谷部区長が状況を把握していなかったというのは到底信用できません。また、本当に把握していなかったのだと強弁するのなら、同公園の状況を知らずに「整備の必要性を認め、整備の推進を支持」するという政治家としてあるまじき姿勢を認めていることになります。

●渋谷区が損害賠償をするのは当然です
強制退去については、地裁・高裁とも直接強制は国賠法上の違法であるとし損害賠償の支払いを命じました。裁判所が裁定している以上、渋谷区がその支払いをしたのは当然のことにすぎません。判決を「真摯に受け止め」たとしたら「残念ですが」という言葉が出てくる余地はありません。

●渋谷区の行政代施行が適切であったとは言えません
行政代執行について違法であるとは認められないという地裁判決をもって、渋谷区の対応が適切であったと言うことは出来ません。なぜなら、地裁判決において行政代執行の手続きについては違法を認めているためです。手続きが違法であったということは、行政としての対応が適切ではなかったということです。

●ナイキジャパン社と渋谷区の契約が違法であることは確定しています
地裁判決は<渋谷区立宮下公園ネーミングライツ基本協定>が地方自治法96条及び234条違反であることを明確に述べています。高裁は、控訴の範囲に当たらないことから渋谷区による反論を斥けました。つまり、この点における裁判所の判断は地裁判決以外に示されておらず、また渋谷区は最高裁への上告を断念しましたので、地裁(原審)の判断が確定したのは明らかです。
ましてや確定していないから「渋谷区は適正に地方自治法の手続きを進めたもの」というのは、理屈にもなっていません。
契約が違法(地方自治法違反)である以上「現状どおり~宮下公園の適正な管理に努めて参ります」というのは、違法状態を続けるということになります。それは言うまでもなく適正な管理ではありません。
ナイキ化計画に多大の責任があり、現在は区長という重責のある立場にあるにもかかわらず、回答からは自分の責任を認め反省する姿勢が見られず不信感を持たざる得ません。

【9月7日付回答について】
9月7日付回答について見解を述べます。

●新宮下公園で一貫しているのは公園の性質を商業化することです
私たちは、新宮下公園はナイキジャパン社による公園改造を上回る商業施設化だと考えています。その点では、長谷部区長が回答dで述べているように「一貫性に欠ける整備計画ではありません」。しかし、私たちが質問の中で一貫性に欠けると指摘していたのは、耐震性の問題が言われていたにもかかわらずナイキジャパン社は補強せずに公園施設の新設・改造を行い、今度はその公園を5年で壊すというありかたです。「財政負担を極力抑えて整備できる」から問題ないとの考えは実に皮相なものです。長谷部区長は、環境問題を旗印に街のゴミ拾いをするNPOグリーンバードを創設していますが、この一貫性のない計画により厖大な資材がゴミになります。また、耐震補強の概算すらしようとしておらず、新宮下公園は大企業による公園改造ありきで進められていることが分かります。

●<アイ リブ シブヤ>の位置づけが疑問です
回答f におけるホームレス支援プロジェクトはいわゆる<アイ リブ シブヤ プロジェクト>以外ないと思いますが、参加しているNPO団体の人々にこれらのプロジェクトが宮下公園1F部分の小屋の野宿者を対象にしていることを説明しているのか疑問です。排除が行われる場所を重点的に対象にするものならば、このプロジェクトは新宮下公園に賛同し排除に協力するものになります。

【直接の話し合いについて】
まず、当会に対する区長の認識が正しいものかどうかの確認が取れていません。
また、いただいた回答は言い逃れや誤魔化しが多く、渋谷区や区長の反省謝罪が述べられていません。判決の受け止めさえきちんとしない区長が私たちと何を話し合うつもりなのか不明です。私たちは、長谷部区長に真摯な反省と謝罪を求めます。

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2015年8月24日長谷部区長への公開質問状 http://tinyurl.com/o7cv77y
2015年9月7日長谷部区長からの回答1 http://tinyurl.com/p3rpmc7
2015年10月5日回答1への申し入れ http://tinyurl.com/qb7dlkn


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