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2015年9月18日金曜日

宮下国賠高裁でも勝利判決です

裁判長が「本件控訴を棄却します」と小さい声で言った時、傍聴人からは自然と拍手が湧きあがった。
渋谷区の控訴が裁判所によって全面的に却下された瞬間だった。

今回の判決では、公園封鎖に伴い渋谷区が野宿者を担ぎ上げて移動させたことは「被控訴人の意思に反するものであるから、直接強制に当たるというほかないものである」とし、その違法性を地裁判決より詳細に厳しく断じている。
また、ナイキ化計画が1、議会の議決を経ていない2、競争入札していない、ことより地方自治法違反であるとの地裁の画期的な判決は、高裁においては判断をしないことによって、維持された。

高裁判決は、強制排除の違法性を精緻に述べ、地方自治法違反を維持させたことによって、渋谷区にとっては全面的に敗訴、わたしたち原告にとっては勝訴になった。

判決後に記者会見を開いた。
弁護士による裁判と判決の説明の後に、元宮下公園野宿者(被控訴人)のコメントが読み上げられた。
「このような判決が出て良かった。弁護士の方々、支援をして下さった皆様のおかげです。とても感謝しています。裁判については、渋谷区から提出された強制排除を撮影したビデオの存在が大きかった。おかげで渋谷区の嘘が裁判の中で明らかになり被告は嘘がつき通せなくなった。」(一部抜粋)
のじれんからは「再開発・オリンピックを梃子にして強まっている野宿者に対する排除の歯止めになる判決だと思います。」
当会からは「ナイキ化計画の非民主的なあり方が違法とされたことは意義が大きい。渋谷区には社会的にきちんと謝罪してほしい」。宮下公園アーティスト・イン・レジデンスからは「渋谷区では口あたりのいい美名のもとに商業主義的な再開発が行われているが、公園は利用者がつくるものなのでやめてもらいたい」とそれぞれ原告がアピールした。
その後、記者から今後の予定などの質問があった。

地裁につづく高裁での判決により、渋谷区はナイキ化計画、野宿者排除、新宮下公園等整備事業、を厳しく問われている。
ナイキ化計画の首謀者は現区長の長谷部健氏であり、新宮下公園を現在推進しようとしているのも長谷部氏である。
宮下国賠は、過去の話だけではなく、現在そして未来に関する裁判であり判決である。

今まで裁判に多大な支援・注目いただきありがとうございます。

19日には、判決をうけて報告会があります。
ぜひ、お越し下さい。

判決文(被控訴人氏名は伏せました) http://tinyurl.com/pchtrp2

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